99%の誘拐

仙台新生児誘拐:手口と酷似した推理小説 計画の参考に?

根本容疑者が手口を参考にした可能性がある「99%の誘拐」 仙台市の乳児誘拐事件で、身代金目的誘拐容疑で逮捕・送検された宮城県七ケ浜町東宮浜御林、衣料品販売業、根本信安容疑者(54)が使った手口と酷似した内容の推理小説があることが、宮城県警仙台東署捜査本部の調べでわかった。根本容疑者が小説を参考に計画した可能性もあるとみて関連を調べる。

小説は岡嶋二人(ふたり)さん著「99%の誘拐」(講談社文庫)。発煙筒と「火事だ!」の叫び声で親の注意をひき、幼稚園児を誘拐して5000万円の身代金を要求する−−という内容。根本容疑者は仙台市宮城野区の「光ケ丘スペルマン病院」(志村早苗院長)で、スプレー缶のようなものを掲げて看護師を威嚇。入院中の山田弓美さん(23)を「火事だ」という叫びで驚かせ、長男柊羽(しゅう)ちゃん(生後11日)を連れ去った。

また、根本容疑者が書いた脅迫文は漢字と片仮名で書かれていたが、小説に登場する脅迫文も片仮名書き。根本容疑者は公衆電話から志村院長に電話し、電車でJR石巻駅へ向かわせた上、タクシーで三陸自動車道を走らせたが、小説でも犯人は電話などで新幹線や電車への乗り換えを次々に指示。仙台市内の高速道路も舞台となっている。

さらに、柊羽ちゃんは同市内の別の病院施設に置き去りにされたが、小説では犯行から数日後、幼稚園児を誘拐とほぼ同じ時刻に幼稚園の前で解放していた。

小説は88年刊行。04年に講談社で文庫化され、ベストセラーになった。【伊藤絵理子、棚部秀行】


20年前の作品にも関わらず、今年の「この文庫がすごい」でミステリ部門第1位。「IN.POKET」でも特集が組まれた「99%の誘拐」、確かによく出来た作品ですがまさかまさかの記事でした。
20年前というのを思わせない岡嶋二人の上手さ、確かに誘拐ものの中では群を抜いていますけど現実は違うみたいですね。


In・pocket 2005年10月号 〈特集〉大沢在昌の醍醐味/もっと岡嶋二人
月刊〈文庫情報誌〉

99%の誘拐
99%の誘拐
posted with 簡単リンクくん at 2006. 1.11
岡嶋 二人〔著〕
講談社 (2004.6)
通常24時間以内に発送します。


99%の誘拐 岡嶋二人


*あらすじ*

昭和43年、イコマ電子工業の社長・生駒洋一郎の息子、生駒慎吾(5歳)が誘拐された。
身代金は五千万それは丁度生駒が会社復興のために用意していた会社の命綱の金額だった。
しかも五千万を金の延べ棒にして用意しろという。
犯人の立てた計画に翻弄される警察と生駒。
息子は無事に帰ってきたが5千万は犯人の手に、そしてイコマ電子工業は大手カメラメーカー・リカードに吸収された。

昭和51年、当時の手記を残して生駒洋一郎は病死。

昭和62年、20年前の慎吾誘拐事件で身代金に使われたであろう金の延べ棒がある男の死体と共に発見される。
それは元リカード社の男。

そして昭和63年、現リカード社社長・武藤の孫、兼介が誘拐された。
その方法はパソコンを巧みに使った犯人の見えない方法。
そして身代金10億円をダイヤの原石にして用意しろという。
まるで20年前の事件を思い起こさせる誘拐事件。

そしてダイヤ運搬役はリカード社に入社していた生駒慎吾が選ばれた・・。


吉川英治文学新人賞受賞の傑作推理。


99%の誘拐
99%の誘拐岡嶋 二人

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探った。知った。真実が視えた。
盲目の霊能力者と彼女を支える仲間たち。
過去の事件の真相と、不思議な事象の真実を次から次へと暴き出す、ユーモア・ミステリー!

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盲目の能上あや子は、霊に悩む人々の災いを鎮める自称「霊導士」。ちまたでは人気霊能者で通っている。テレビに出演し、依頼者の相談を受け、霊視をするが、実は、彼女を支えるスタッフたちが収集する情報で霊能力があるかのように装っているだけだった。睡眠中、金縛りにあい、覚えのない痣や傷ができている若妻(「かなしばり」)や、友人の狐憑きを疑う中年女性(「目隠し鬼」)、地下室から聞こえる幽霊の声に悩む主婦(「あめふらし」)など、依頼者の住宅へ侵入したりなどして、その原因をスタッフが探り、あくまで霊視しているかのように伝えるのだ。
やがて、週刊誌の記者があや子の能力を疑いだし、調査に乗り出すのだが・・・